アニメや日本のポップカルチャーが好きな方なら、聖地巡礼という言葉を耳にしたことがあるかもしれません。
聖地巡礼は、文字どおりには「聖なる場所を巡ること」を意味します。アニメ、漫画、映画などのファンの間では、作品の舞台やモデルとなった実在の場所を訪れる活動を指します。
駅、路地、階段、寺社、橋、市街地など、日本にはアニメの中で見覚えのある実在の場所が数多くあります。
日本で暮らしている方や働いている方にとって、休日にこうした場所を訪れることは、いつもとは違う視点から日本を楽しむ方法の一つです。
ただし、聖地巡礼の目的地には公共施設や住宅地も多いため、訪れる際には地域のマナーやルールを理解することが大切です。
ここでは、聖地巡礼の参考になる有名なスポットをいくつかご紹介します。
1. 須賀神社の階段(東京)―『君の名は。』
東京で特に有名な聖地巡礼スポットの一つが、新宿区四谷にある須賀神社へと続く階段です。
赤い手すりのあるこの階段は、新海誠監督のアニメーション映画『君の名は。』に登場する重要な場所として知られています。
階段の形や周囲の街並み、背後に広がる都市の風景から、映画のファンにはすぐにそれと分かる場所です。
新宿の公式観光ガイドでも、階段が『君の名は。』に登場したことで多くの人が訪れるようになった場所として、須賀神社が紹介されています。
アクセス
須賀神社までの徒歩での所要時間は、おおよそ次のとおりです。
- 四谷三丁目駅から徒歩約7分
- 四ツ谷駅から徒歩約10分
神社は住宅地にあるため、静かに行動し、撮影の際にも通行を妨げないようにしましょう。
2. 鎌倉高校前(神奈川)―『SLAM DUNK』
バスケットボールアニメ『SLAM DUNK』のファンにとって、鎌倉高校前駅近くの踏切は、ひと目で分かる代表的な場所の一つです。
江ノ電の電車と、その向こうに広がる相模湾の景色は、『SLAM DUNK』のオープニングに登場する印象的な場面を思い起こさせます。
鎌倉高校前駅は江ノ島電鉄(江ノ電)の駅で、鎌倉の海沿いに位置しています。
一方で、この場所の人気はさまざまな課題も生んでいます。
近年、鎌倉市は、観光客の集中、撮影のために車道で立ち止まる行為、私有地への立ち入り、周辺のごみなどの問題を報告しています。
そのため、訪れる際には次の点を必ず守りましょう。
- 撮影のために車道に立たないこと
- 線路内に立ち入らないこと
- 私有地や個人の所有物のある敷地に無断で入らないこと
- 車両や歩行者の通行を妨げないこと
- 混雑整理が行われている場合は、係員の指示に従うこと
アニメの舞台を写真に収めるのは魅力的ですが、安全と地域住民の暮らしへの配慮を最優先にすることが大切です。
3. 秋葉原と神田明神(東京)―『ラブライブ!』
秋葉原、神田、その周辺地域は、アニメ『ラブライブ!』と深いつながりがあります。
特に有名な場所の一つが神田明神です。
この歴史ある神社はアニメの重要な舞台として登場し、「訪れてみたい日本のアニメ聖地88」にも正式に選定されています。
神田明神の近くには明神男坂があり、アニメでは穂乃果やμ'sのメンバーが体力づくりに使う階段として登場します。
神田明神のほかにも、この地域には『ラブライブ!』にゆかりのある場所があります。
- 秋葉原UDX
- 秋葉原の街並み
- 明神男坂
- アニメの舞台のモデルとなった建物や店舗
神田明神は、アニメやポップカルチャー作品とのさまざまなコラボレーションを行ってきたことでも知られています。
ただし、神田明神は今も参拝や神事が行われている神社であることを忘れてはいけません。
訪問時には参拝者に配慮し、宗教行事や参拝の妨げになる撮影は控えましょう。
4. 秩父(埼玉)―『あの花』
埼玉県秩父市は、アニメと地域観光の結びつきを示す有名な例の一つです。
この街は、次のアニメの舞台として知られています。
『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』、通称『あの花』です。
秩父には、アニメに登場する実在の場所がいくつもあります。
- 秩父橋
- 秩父神社
- 定林寺
- 羊山公園
- 秩父市内のさまざまな通りや街角
秩父とこのアニメのつながりは、自治体からも積極的に支援されています。
秩父市はアニメの観光マップを提供しており、『あの花』や、この地域を舞台とするほかのアニメ作品に登場する場所を巡る際に役立ちます。
『あの花』のファンにとって、秩父への訪問は、アニメの風景と実際の景色を見比べる楽しい機会になります。
聖地巡礼で大切にしたいマナー
聖地巡礼だからといって、アニメと同じ構図の写真を撮るために何をしてもよいわけではありません。
アニメに登場する場所の多くは、実際には次のような場所です。
- 住宅地
- 公道
- 駅
- 寺社などの宗教施設
- 地域の人が営む店舗や事業所
- 私有地
そのため、次のマナーを意識することが大切です。
1. 通行を妨げない
狭い歩道、車道、住宅の出入口、住民が日常的に利用する場所などで、長時間立ち止まらないようにしましょう。
混雑している場合は、安全に撮影できる状況になるまで待つか、別の撮影場所や角度を探しましょう。
2. 線路内に立ち入らない
写真を撮るために線路内へ入ったり、安全のために設けられた境界を越えたりしてはいけません。
危険なだけでなく、交通機関の運行を妨げるおそれもあります。
3. 私有地を尊重する
住宅の庭、駐車場、建物、その他の私有地には、許可なく立ち入らないでください。
アニメに登場する場所に似ている住宅や建物であっても、個人の所有する場所である可能性があります。
4. 寺社では節度を守る
須賀神社や神田明神などの寺社を訪れる際には、次の点に気をつけましょう。
- 騒がないこと
- 参拝中の人の妨げにならないこと
- 撮影禁止の場所を確認すること
- その場所の作法やルールに従うこと
5. 撮影時は周囲の人に配慮する
他人を許可なく至近距離から撮影することは避けましょう。特に、その人の顔が写真の主な被写体になる場合は注意が必要です。
周囲の人のプライバシーに配慮した構図を選びましょう。
6. ごみを捨てない
ごみ箱がない場合は、ごみを持ち帰りましょう。
こうした小さな心がけは、観光客と地域住民の良好な関係を保つためにとても大切です。
7. 地域のお店を応援する
できれば、訪れた地域の飲食店、交通機関、地元の商品などを利用してみましょう。
そうすることで、聖地巡礼はファンにとっての楽しい体験であるだけでなく、地域の人々にとっても役立つ活動になります。
聖地巡礼:いつもとは違う視点から日本を知る
聖地巡礼の魅力は、アニメに登場した場所を実際に見られることだけではありません。
次のようなことを知る機会にもなります。
- 日本の交通システム
- 地域の文化
- その地域の歴史
- 人々の暮らし
- 寺社などの宗教施設
- 日本の社会的なルールや習慣